歴史と美が融合する「旧台中市政府」
台中駅から徒歩約15分、民権路と市府路の交差点に佇む白亜の建物(2025年6月現在修復工事中)が「旧台中市政府(台中州廳)」です。この建物は、日本統治時代の1913年に建設が始まり、1934年に完成したバロック様式の建築で、設計は日本人建築家の森山松之助氏によるものです。彼は台北州廳(現・監察院)や台南州廳(現・国立台湾文学館)の設計にも携わっています。
正面から見ると、左右対称のデザインが美しく、中央のロッジア(バルコニー)を支えるイオニア式の柱が印象的です。また、マンサード屋根と呼ばれる特徴的な屋根が、建物全体に優雅さを与えています。
旧台中州廳は、日本統治期の西洋建築影響を受けたクラシカルな官庁建築の代表格です。内部の大階段やキャットウォーク、皇太子御座間など、歴史と建築美が融合した魅力ある建築物です。現在、国定古蹟として修復と再生が進行中で、今後は美術展示など多面的に楽しめる施設へと生まれ変わるそうです。台中を訪れた際は、台中駅から近いので、ぜひ足を運んでその歴史と風情を直接体感してみてください。